夜明け

日常譚

ペンサントエルピスの名が決まって少し経った。

希望を考える。

他人の心や環境に、簡単に雲は覆ってきてしまうけれど、雲のお陰で光を感じることができ、光の見え方や在り方が解り、考えることで、自分なりの輝き方を見つけていきたい。

そんな願いを込めてつくられたFC。

どんな困難な状況でも、考えること、考え続けることをやめてはいけないのだ。

そういえばスペルや意味は調べたりはしたけど、発音もちゃんと知っておきたいよなとふと思い調べてみた。

最近は発音でさえすぐに調べられるから便利だ。
僕は検索窓にペンサントを打ち込んで、発音のボタンをクリックする。

ポンソン

???

もう一度クリック

ポンソン

ん?思考が追いつかないまま下のAIの解説に目をやる。

AI による概要
「pensant」はフランス語で「考えている」という意味の「penser(パンセ)」という動詞の現在分詞形です。

そもそも現在分詞形がわからんて。
いや、そもそもで言ったらフランス語もわからんか。

日本語だって怪しいのにこれは考えるだけ無駄だな

(早速考えることを放棄するFCリーダーの鏡w)

要するに、パンセ転じてポンソン。

ちなみにエルピスはエルピーと発音するみたい。

ポンソンエルピーになっちまうw

ま、まあ発音をカタカナ表記で表現することにも無理があるわけだし!
たしかとある有名なアニメ制作スタジオの名前の由来も、本来の発音とはすこし違う発音だったというエピソードが有名だ!

ペンサントエルピス、愛称ぺっぷで押し通そう!

気に入ってるし!

FCでの一歩目を少し踏み外した我らのFCぺっぷ。

FCができれば当然FCハウスを持ちたくなる。

やってみると分かるけどハウジングは沼だ。
自分のイメージを室内に表現できる喜びとなかなかうまくいかない歯がゆさに加えて、家具や部屋のサイズ、色味、質感、設置数といった制約が沼を深くさせて時間を溶かしていく。
自分で家具を作り出すともうおしまい。
1日が3秒で過ぎる。

それくらいハウジングは楽しい。
それに、かえってくる場所があるのはやっぱりいい。

そうと決まれば話ははやい。

色々周って場所を検討、まずはあせらずSサイズ、とりあえずの資金はFCの借金ということにして、少しづつ返済していくことにした。

いくつかの候補地の中から入札のない候補地を絞り、マーケットボードのアクセス良し、風呂・プライベートビーチへのアクセス良し、見晴らしそこそこ、守りやすさそこそこの土地に決定。

他に入札がないのに、入札してから購入が決まるまでは本当に買えるんだろうかと少しドキドキするw

そして…

そんな小さな心配をものともせずに土地は無事に購入。

新メンバーを迎えて、ハウス購入まで夢中だったからあっという間だった。
お互いに小さな時間を見つけては土地の候補を挙げて共有し下見に行って、抽選期間の関係もありそれなりに時間がかかっている。

それぞれが納得できる場所に土地を購入できた。
きっとこんな小さな思い出のひとつひとつが僕やFCを作っていくのかもしれない。
僕はそんなことを想いながら、シロガネの湿り気を帯びた温い潮風の香りを画面越しに感じた。
そしてこの思い出を光に変えて、輝ける希望の光になればいい。心の糧になればいい。

ふと時計を見やると、僕はそろそろ病院の時間、うづきさんも何か予定があると言っていた。

「そろそろいい時間かな。」

うずきさん「お 夜が明けそう。日本の夜明けを見たら行くか~」

「FCの夜明けぞ~」

うずきさん「曇りだ~」

「www」

一歩目を踏み外し、曇りの船出なんて、なんだか僕らしいw

この日僕らは、エオルゼア、ひんがしの国の東州オサード大陸から、さらに海を渡った東の果て、クガネの一角、シロガネの片隅に、小さな土地を買った。

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