どうも。ぎゅーまです。
このままではいけない。
極7.2ブラインド攻略を経てそう感じた僕は、今まで散々お世話になったFCを去った。
今よりも主体性を持ってFF14をより楽しむために、今の自分に必要なことを見つけるためにそうしたいと思った。
FC抜けたぜええ自由だあああああ!!!

とはならないのが僕。
心無しか歩きなれた所属国のグリダニアですらどこかよそよそしくも感じて、いつもならFCの庭で挨拶したり言葉を交わしているんだよなあとふと頭に浮かんだ。
湿っぽくなりたくなくて飛び出すように出てきてしまったから、急に一人になったようにも感じたし、かつてあった日常が、当たり前にそこにあった日常が、それは自分の持っていた幸せのひとつだったんだなあと思う。
そんなことをきっかけにFCでの日々を追懐していると、急にFCを抜けた実感が、ティーバッグから紅茶が滲み出るようにでてきて不安になった。

FCでは皆が僕の人となりを知っていて、僕も皆の人となりを知っていた。
“皆”がいないと”僕”は何者でもなくなってしまうのだろうか。
喧嘩別れをしたわけでもないのに、どこか後ろめたさを感じているのだろうか。
今まで僕はFCというとても大きなものに包まれ守られていたんだ。
やっぱりいつまでも後ろ向きだ。でも、それもまあ僕らしくて悪くない。
「もしそうでも、また立ち上がるだけ。」
その言葉が僕の心にジメっと纏った少しの不安を軽くし、足を前に進めてくれた。
今まで僕はFCに関して、何かを創り上げる過程を味わうということをしてこなかった。
きっと僕が勝手に、僕が僕の何かを守るためになにもしてこなかったんだ。
それにむしろ、僕がこうしたいといえばきっとそれに協力してくれる人たちだった。
だからFCを抜けるというのはたぶん僕の覚悟なのだと思う。

そしていざFCを作ろうと思うと簡単にはいかなかった。
ソロFC設立一歩目にして最大の難関、署名3人分。
自分以外のプレイヤー、(FCの掛け持ちはできないため、FC未所属の人)3人を集めて署名をしてもらわなければならない。
当然FC設立後は抜けてもらう前提なので、ソロFC設立の趣旨を分かっている方という縛りもかかってしまう。
タイミングが悪いのか、大都会トンベリ鯖では未所属でも言語Eの方が多く声掛けするのには僕にはハードルが高かった。

そうなればPT募集しかない。
見ず知らずの人に助けを求めなければならないのかあ。
人見知り気質な僕にはハードルが高すぎるなあ。FCを作ることができるのだろうか…。
調べてみるとPT募集では、署名してもらう代わりに報酬を支払い、FC結成後に脱退してもらうというのが主流らしい。報酬の相場は10万Gilくらいなのでこれなら僕でも支払うことができるし、関係もドライだから気が楽だ。
尻込みしていても仕方がないので、開き直り気味に早速募集開始。
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1日目、ゴールデンタイムではないにしろ全く反応なし。

あれ?これ募集できてるよな?と何度確認したかw
3時間程募集をかけても無反応なのでこの日は断念。
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2日目、少し時間をずらすも同じく反応なし。
う~ん。やっぱり少し簡単に考えすぎていたかな。

いくら報酬をもらえるといっても、少しのギル欲しさにわざわざ煩わしいことに首を突っ込む人なんて稀なのかもしれない。
焦ることでもないし、気長に待とうなんて思っていると、バシュっとPTへ参加してきてくれた方がいた。
その方はわざわざPTへ入り、トンベリのサブキャラをログインさせてFCへ署名してくれた。
お礼を伝えて、報酬を支払おうとトレードを申し込むと、報酬は不要とトレードを受けてくれなかった。僕は、え!いいんですか!?ラッキー!という性格ではない。
僕は署名の報酬として提示したギルを支払う約束の下PT募集をした。
相手にとってそれが少なくても多くても、約束はできる限り守りたい。
それになんかそのほうが冒険者っぽい。
何度かの払う払わないの攻防をした後に、その方は少しだけ僕を諭すように、それでいて何の含みもなくFC作るの応援してますと言って僕の返事を待たずにログアウトした。
僕はその一言に人の確かな厚意を感じ少しだけ自分を恥じた。
厚意を受け取ってもらえないというのは確かに物悲しい。
有難迷惑で無理に押し付けられたものでないのなら、厚意を受け取らないというのは、「あなたの気持ちはいりません」と言っているようなものなのかもしれない。
僕はわざわざ僕を助けてくれた人にありがとうと伝えられなかったことを残念に思ったけれど、FC作りを達成して感謝に変えようと思った。

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そして次の日
この日は募集をだして1時間ほどで一人の方が募集に参加してくれた、結果から言うと僕のミスで署名をもらえなかった。どうやら僕はサーバーで募集をかけていたので、サーバーを跨いでの署名は行えないようだった。せっかく募集に入ってもらったのに、時間だけ頂いてしまう形になってしまった。それでも今回は謝罪とお礼をちゃんと伝えられた。

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さらに次の日
この日は2時間ほどで一人の方が募集に参加してくれた。
この方は、こちらが申し訳なくなるくらい丁寧で穏やかだった。
そしてこの方も結局報酬を受け取らず、色々ありますよね、応援してますと言ってくれた。
二人とも、頑張って下さいではなく、応援してますだった。
何かを察して言葉をかけて、僕を慮ってわざわざ自分の時間を割いてくれる。
時間でいえばほんの数分か、せいぜい十分程の時間だけれど、僕はそんな少しの時間を、少しだけれど人生の貴重な時間を、見ず知らずの誰かに分け与えられるだろうか。
きっとそんな行動に僕の居たいFC像があるのかもしれないと思った。
僕はこのお二方に、夏の夕暮れ時風通しの良い日陰で、清涼な風に吹かれるような穏やかな心地よさを感じて、冒険するだけでは到底知りえないMMOの醍醐味を味わった。
そして、この余韻を噛み締めていると、続けてもうお一方がPTへ参加してきてくれた。
やみのサブです。署名するよ~。
やみさん…。僕の抜けたFCのリーダーだ。

前リーダーからFCを引き継いで、いつだってみんなのいつか帰るところを作ってくれていた。
今になって考えたら、フレンドリストから僕のPT募集を見てくれたんだと思う。
そして息をするように、僕に必要なことを必要な分だけしてくれた。
僕は一瞬申し訳なさを感じたけれど、お互いに今まで付き合ってきただけの信頼があるし、できないことはできないと言ってくれる人だと分かっている。だから感謝をすぐに伝えられた。
そして窓口で手続きを済ませると、僕はFCのリーダーになった。

僕一人では決して到達できない、そして本当にできるんだろうかとすら思えたことを、見ず知らずの人の助けを得て、フレンドの助けを得て、四日で達成できてしまった。
そんな気持ちを噛み締めていると、僕の気持ちを引き戻すようにそっとやみさんが言う。
「もうお一方はまだログインしているし、FCできたらさっさと除名してあげたほうがいいわね~」
彼女は冷静に配慮し、そのままクールに去っていった。
わかっていたけど、やっぱり報酬は受け取らなかった。
手紙で改めて感謝を伝え手続きを踏むと、FC欄には僕ひとりだけになった。
このFCでどんな人と出会い、どんな風になるのか。僕はまだ知らない。
戦いに出るだけが冒険じゃない。
この日、未知なる冒険の一歩を僕は踏み出した。

記事の最後に
この場を借りて感謝を伝えさせてください。
署名を頂いたお三方ありがとうございます。
見ず知らずの僕に何の見返りもなくそっと手を差し伸べることができるのは、まさに光の戦士だと感じました。僕自身が大切にしたい何かが少し見えたような気がします。
一度はファーストネームを書いたものの、光の戦士の名前を記してしまうというのも無粋かなと思い、お三方という表現に落ち着きました。まあやみさんは本文中へ登場していますが…w
PT募集をみて声をかけてくださった方々もいました、ありがとうございます。
そして最後になってしまったけれど、実はこの後何人かのフレンドや元FCのメンバーが署名を手伝う旨名乗りを上げてくれました。
記事にしたくて途中まで書いてみたものの、内容が散らかりすぎて納得できるものに書き上げることができなかったので泣く泣く割愛しました。
本文中への掲載はできなかったけれど、気にかけてくれて、声をかけてくれてありがとう。
とても嬉しかったよ。
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