NGKを後にした僕らは、なんば周辺を散策していた。
Sさんオススメの立ち飲み屋に入るまでの時間調整である。
STRAWBERRY MANIAさんにていちご飴を頂くことに。
甘いものは控えているが、いちごはカロリーも控えめであるし、これくらいは許されるであろう。
しかし問題がある。
これは僕の偏見であるが、果物と精製糖の組み合わせについて、僕はかなり懐疑的だ。
大抵、果物は精製糖の甘みに個性を殺される。
そして酸味はたどたどしく引き出され、矢面に立たされる。
酸味と甘みが喧嘩というか、別の方を向いていて、まとめ役がいないのだ。
だったら別々に食べたい。
結局そう思ってしまうのが常であった。
しかし、そんな僕の先入観を壊してくれた。
まず驚いたのは、いちごの”個”の力。
酸味が成熟していて、大人しく品がある。いちごの風味と甘みが酸味に全く負けておらずバランスが良い。
そして飴。
甘みがいちごを一切殺していないのである。
いちごが飴を纏う量も丁度良く、薄めのパリパリ感が楽しい。
両想いのいちごと飴が争うはずもなく、まとめ役がいなくとも肩を組んで楽しそうにしているのである。
今後は果物をふんだんに使ったケーキなども楽しんでみたいと思う。
甘味は控えているので、機会はないと思うが、新しい発見であった。
そして店へ向かう道中。
31アイスクリームこと、バスキンロビンスを発見してしまったのである。
そして流れるように入店。
これは言わば事故である。
どんなに気を付けていても、事故は起こってしまうものなのである。
当然甘いものは控えているが、僕のアイスマイルは何故かゴールドクラスである。
「31いつでも食えるやんけ」
とSさんからのナチュラルに鋭いツッコミをくらったものの、
「え……、Sさんと食べられるのは今だけなので……」
と、僕は辛うじて防御バフを炊いて耐えた。
僕は迷わず新作フレーバー、ミルキーショートケーキを頼んだ。
甘さがミルキーで、これは間違いない。多くは語れない。
ちなみにこれは今後、何度も何度でも推すが、通常はキャラメルリボン(上)とストロベリーチーズケーキ(下)がオススメである。なお、浮気はしても良いものとしている。
ミルキーショートケーキに夢中すぎて、Sさんが何を頼んだか忘れてしまった。
想定外のバスキンロビンスを後にし、Sさんオススメの立ち飲み屋、葉花さんへ。
暖簾を潜って古き良き日本家屋といった引き戸を開けて店に入ると、お客さんが既にいっぱいだった。
カウンターの大皿の上に並べられたおばんざい、カウンター越しに見える調理風景、壁に貼られた手書きのメニュー、間接照明にまで気が配られていて、梁と土壁が映える。心地よく清潔感があるのに暖かみが凄まじい。
そして店員さんには活気があって温かい。
オススメの日本酒を聞けば好みを聞いてから提案してくれるし、他の客さんと会話する表情が柔らかい。
食事は当然美味しい。そしてリーズナブルなのが嬉しい。
サッと出してくれるので、はしご酒にも良さそうである。
日本酒と料理を楽しんで次のお店、BISTROあじとさんへ。
こちらは洋風の内装で、扉を開けてすぐに迎えてくれるカウンター席と鉄板が美味しいものの提供を約束してくれている。
ここで僕のリアルフレンド、K合流。
大学時代からの友であり、今はヒカセン同士である。
Kは丁度、出張で大阪に来ていた。
奇跡的にタイミングがニアミスしたので、リモートワーク等含め調整して会いに来てくれたのだ。
KとSさんもエオルゼアで交流がある。
放任主義な僕に対して、KはSさんにゲーム内で色々と手ほどきを受けており、Kなりに結構慕っているようである。
そしてさらにEさんが合流。
Eさんは、Sさんの紹介でヒカセンになった。
僕、Kともにエオルゼアで交流がある。
過去、半固定としてレイドへ行き、固定を組んでヴァリアントダンジョンの攻略を共にした。
Sさん程ではないが、エオルゼアを共に過ごした仲である。
登場人物が多くなってきたので、図にして整理してみる。(AIによる生成)

難しく書いたが、簡単にする。
僕の一人旅に合わせて、交流のあるヒカセンが予定を調整し会いに来てくれたのである。
自分で旅をすると決め、声を掛けさせてもらったのに、協力頂いたお陰で自分がこの場を作った気がしない。
僕から見ると皆コミュ力の塊で、すごく楽しい会であった。
恥ずかしながら、楽しい感情は残っているのに何を話したとかの詳細が取り出せない。
きっと半分はアルコールの所為で、残りの半分は寝不足、もう半分は新喜劇の感動の所為だろう。
引いた斜め後ろの角度から撮った、説明的でキラキラした映像が楽しい感情とともに映っている。
所々で、主観映像が混ざる。
ブラウン管の画面に触れてノックしても、渇いたガラスの音が響くだけでただ流れていく。
認知症ってこんな感じなのかな。
介護職だった僕は、認知症というものに他の人より多少は触れてきたつもりである。
祖母も認知症だった。もし認知症になったら僕はどんな人間になるのだろう。
認知症になっても、大阪で初めて一人旅をしたフィルムがあったら嬉しいな。
美味しい食事にお酒、楽しい時間が過ぎるのは早かった。
終電近く二人と別れ、僕とKは宿泊先へ向かい大阪の街を歩いた。
「締めになんか食っていくか」
「だな」
お腹は既に一杯だけれど、もう少しだけ大阪という街を味わいたい。
Kが滞在できるのはこの日だけであったため、二人ともそんな気分だったのだと思う。
土地勘のない僕らは中々飲み屋を見つけられなかった。
夜職の喧騒を、Kは同じ末っ子とは思えないほどズンズン歩き、僕は末っ子のプロらしくテレンコテレンコ歩いた。
ここら辺は、我々の求める飲み屋は無さそうだということになり、マップで近くに表示された全国チェーン展開している鳥貴族さんに入り、焼き鳥何本かとKは焼き鳥丼を注文した。
二人でレモンサワーを乾杯すると、すぐに食事もやってきた。
僕らはそのボリュームに圧倒された。
焼き鳥は一本ではなかった。一皿、二本単位の注文だったのである。
よく見たらメニューの脇に割と大きくしっかりと書いてあった。
嬉しすぎることに一本も割とぎっしりしていて、さらに長い。
さすが鳥貴族さん、庶民の味方だ。
でも、今の僕らにはこの量は多すぎるw
僕とKは、給食が食べきれない小学生のように終始無言で焼き鳥を味わった。
大阪の街は、ボリューミーでたんぱくだ。
僕の胸とお腹は早くも感動と喜びでいっぱいである。
こうしてKと別れ、僕の大阪観光一日目は終わった。

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